猫の口内炎の治療②・・・全臼歯抜歯にはレントゲン検査が不可欠

猫の口内炎の治療方法のひとつに「全抜歯」があります。

口内炎は、口腔内の免疫過剰あるいは免疫低下で起こることが知られています。

口腔内の細菌数は、なんと、便の中の細菌数を上回るといわれています。

そして、口腔内の細菌のほとんど(95%)は歯面に存在しているのです。

ですから、

口腔内の炎症のコントロール=細菌を減らすこと → → 抜歯 

という治療法が有効であることが多いのです。

猫の全臼歯抜歯で大切なことは、

● 歯の根を絶対に残さない! 

● 抜歯後の骨形成をしっかりとする! です。 

歯根を残さずに抜歯をするって、当たり前のことに聞こえるかもしれませんが、

他院で処置後の猫ちゃんで歯根が残っていることってそんなに珍しくないんですよ。

猫の抜歯の際に残根が発生しやすい理由は、

● 歯根が細い 

● 高齢の子、炎症を繰り返している子は歯と骨が癒着していることがある 

● 吸収病巣(歯冠や歯根の一部がなくなっている)が存在する

ことです。

 最後の吸収病巣は、歯のいろいろな部位で発生するので、歯冠はあるけど歯根が無い場合や、

肉眼的に歯はないけれど、レントゲンを撮影すると歯根だけが存在している ・・・なんてこともあります。

ですから、私共は、口腔内レントゲンを撮影し、

歯根の状態をチェックしてから抜歯にとりかかるようにしています。

人間の歯医者さんでもレントゲン撮影は処置前に必ずしますもんね!

以前は、通常のレントゲン装置で歯のレントゲン撮影を行っていたのですが、条件設定が

難しく結構、大変でした。ここ数年は、歯科専用のレントゲン装置を導入したので、撮影は簡単ですし、何よりも

診断力が格段にUPしました。 これがまた、きれいに撮れるんですよ ! 

 どんな病気でも、まずは的確な診断が大切ですね。

 猫 口内炎.JPG  

 猫の口内炎 (重度歯周病に伴う)